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[サーファー院長の骨休め]コラム::「気の海」
ビッグマッサー タハラ
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「気の海」
「人のカラダを押していて自分は疲れないの?」とよく言われる。


答えはYES!素直に疲れます。
これが職業だからしょうがない。でも長年やってきた。


私のこの仕事の始まりは、サウナのマッサージ師だった。

21歳の時だ。サウナの一番忙しいのは年末。一年の垢落とし、そして一年の疲労もいっしょに落としてしまおうとマッサージにかかる。

私はとあるサウナの新米マッサージ師として働いていた。朝から晩までお客さんが途切れない。カラダはもうクタクタ。遂にお客さんが入口の向こうに100メートルの行列をなしている夢まで見てうなされる日々が続いた。
そうなると熱が出て、顔面蒼白、目が腫れ精気がなくなり、廃人のようになってしまう。しかし、世の疲れている人のためにマッサージ師は存在している。「こっちだって疲れてんだ!」と言えないのが辛いところだ。


マッサージ師とは選ばれし人間しかできない職業と自負している。
今目の前にいるこの人より元気でなければ、人を元気にすることなどできない。そんな過酷な体験をするうちに、元気を蓄える方法を身に付けたのである。


人間には誰しも「気」というものが備わっている。その気をたくさん持っている人は、元気そうに見える。その気を自由にコントロールできるようになると元気がみなぎるようになる。

その気の元は、へその下3寸気の海と書いて「気海(きかい)」というツボに置かれ、精気が無限に生ずるところがある。
気とは、握りこぶし大の塊で自由に動かすことができる。極真カラテ大山倍達の名言に「スタミナの強弱は呼吸の差だ。

気は息なり、スタミナは気なり」とあるように呼吸法によって鍛錬できる。

鼻翼を膨らませ、ほんの一瞬で小さな空気のボールを鼻と喉の奥にイメージの中で作り出す。
吐く息と同時にそのボールをだんだん大きくしながらへその下に落とし込む。
再び浮上させ脇の下を通じ腕に送り、指の先から気を患者さんのカラダに注入する。
次の呼吸で悪い気を吸い上げ、自分のカラダに吸収し気海に戻す。
そこで私のカラダのフィルターで邪気を濾過して、きれいな気として患者さんに戻すのである。


鼻から吸う空気は新鮮で、口から吐かれる息は宇宙にばら撒かれて浄化される。一人の患者さん一回につき1000点の指圧を繰り返すが、これを絶えず行っている。


だからビッグマッサーの施術中は絶えず「シュー、シュー」と呼吸の音がするが気にしないで欲しい。

こうすることで患者さんも元気がもらえるし、私も元気になる。


しかし出切らない気の燃えカスが毛穴に残るのを本当の海に捨てに行く。

そして上質な気に満ちた気の海に揉まれ、自然の気をチャージして、また皆さんに元気を与えるのだ。
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