ビッグマッサー タハラ
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http://www.bigmasseur.com

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「南相馬」
神奈川県鍼灸マッサージ師会は、県内からボランティアを募り、被災地でマッサージをしています。この12月中旬に13名の方と共に福島県南相馬市に行ってきました。29年前この町で、サーフィンの全国大会があり、1週間ほど合宿しました。松林の先の白い砂浜にいい波が崩れていたのを覚えています。

その海から数キロ内陸に建設された仮設住宅には、まだ何百世帯という方たちが生活しています。その日は、曇り空で、日曜日というのに人けがなく静かでした。駐車場で火を焚き、大きな鍋で調理をする外国人がいました。聞くと東京から来ていて、昨日からここでカレーを振る舞っているとのことでした。こうして被災地支援をする色々な団体がまだ現地で活動しています。

仮設住宅には、集会所という20畳ほどの憩のスペースがあります。そこを利用させてもらい、カーペットの床に座布団を並べ、バスタオルを敷き、特設治療所を設けます。事前にこの日、マッサージ師が来ることが住民の方々に知らされているということで、10時の開始時間になると一人、二人と患者さんが集まりだしました。

私が担当した60代の女性は、頭痛を訴えていました。首が十分に倒れないほど深く凝り固まっていました。そしてうつぶせになってもらおうとすると胸が圧迫されると背中が痛くなると言います。あの震災当日激しい揺れの中で転倒、背中を強打し、それ以来その症状が続くそうです。あれから4年経ってもいまだに震災の傷跡が残っていました。

ある男性は、「息子は、安全な場所に新しく家を建てた。俺は、この仮設に暮らしている。お袋は、やっぱり家がいいともとのうちに戻った。家族がバラバラになってしまった。」と丸い背中が寂しさを語っていました。

陽が傾き始めた頃、患者さんも来なくなり、自治会長さんらに別れを告げ、帰路に着きました。最近開通した常磐自動車道を南下し、第一原発に近づいて来るとそこには、動くものがなく、田畑には、雑草が生い茂り、民家は、閉ざされたまま、黒い除染土嚢がいたる所に積み上げられていました。道路わきに設置された放射線量を測定した電光掲示板は、とても高い数値を表示していました。神奈川に帰る私たちは、夕陽に映った色のない風景の中に、音もなく流れる川の水をただ無言で見つめていました。
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