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[サーファー院長の骨休め]コラム::「マイファーストトリップ」 
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「マイファーストトリップ」 
夕暮れに小高い丘から伊豆大島を眺めた。ここは、僕にとって思い出深い場所だ。

30数年前、中学時代に遡る。サーフィンを始めて1年、大磯と湯河原の波しか知らなかった僕と友人は、もっと違う波に乗ってみたいとサーフトリップを計画した。先輩から盛んに「大島は、波がいい。」と聞かされていた。目の前に浮かぶあの島の見果てぬ波に思いをはせた。

「島には一軒サーフショップがあるから、そこに電話をしろ。」との情報だけを頼りに実行に移した。

中学の卒業式翌日、熱海港を出発する船に乗った。内心心細かったが、これから始まる冒険の旅に胸が躍った。船内では、今夜からの暴風雨は、春一番になろうと報じている。船は、厚い雲の中を進んだ。島影が大きくなるにつれ、雨は本降りになっていった。元町港に慌ただしく散っていく乗客たち。最後になってしまった僕らは、ボードを抱えながら船から離れると、自分たちの名前が書かれたプラカードを掲げた老人が独り雨に打たれ立っていた。会話もなく錆びた小さな送迎車で町の中心部にある宿に向かった。

外は雨。暗い食堂で昼食をとっていると、突然、真っ黒に日焼けし、髪の潮焼けしたウエットスーツ姿の男の人が「神奈川の子たち来てる?」と玄関に現れた。電話したサーフショップの人だ。「海に連れて行くから用意して。」と車に乗った。

湾を見渡せる高台で止まると、ワイパーで雨粒を弾きながら見える眼下には、青く澄んだうねりが今まさに崩れようとしていた。「あれに乗るのか?」岸には砂浜がなく、代わりに人の背丈はある岩がゴロゴロしていて、避けずに乗って来たら激突するような危険な場所だ。彼は、「車で見ていろ。」と崖を下りて行ってしまった。今まで見た中で一番デカイ。僕たちの技量では、到底太刀打ちできそうもないサイズだった。

「今度は、君たちの番だ。」と別の場所に連れて行かれた。そこは、断崖絶壁の下に筆を海に突き立てたような岩のある雄大なロケーションだった。ショップのお兄さんは、いっしょに波に乗りながら、明日も行動を共にできるか僕たちを観察していた。そんな視線は、感じていたが、お構いなしに夢中で乗った。すぐに技量は、見抜かれたのだろう。

翌日、ショップの人は、迎えに来なかった。

しかし、ラッキーにも同宿のサーファーが、車で連れて行ってくれるという。強風の中、できそうな波を探し、2日目も波に乗ることができた。

「人は、人生で何度も旅をするが、最初の旅のスタイルがベースとなる。」とどこかの雑誌に書いてあった。昨日中学を出たばかりの子供が沢山の大人に助けられながら自分達の旅を完遂させた。「行けば何とかなる。」ということを15歳にして覚えてしまった。それ以降、これに味を占めて何度も無謀な旅をした。

ファーストトリップ。大島を眺めながらそんな懐かしい思い出を振り返っていた。大島は、今椿の季節だ。
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