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[サーファー院長の骨休め]コラム::「KUZU RIVER」
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「KUZU RIVER」
橋の上が何やら騒がしい。観衆は、川を指差し、顔を見合わせている。みんなの視線の先には、畳一畳程の大きさの四角い発泡スチロールの上に立ち、竹の棒で川底を突きながら(今でいうSUP)、ゆっくりとこちらに流れて来る3人の少年の姿があった。桜の木の下を過ぎ、「船」は、橋の真下に差し掛かるも上の群集に目もくれず、ただ前を見据えて進んで行く。橋をくぐると群集は、一斉に下流側へと移動した。その先は、少し傾斜があり、曲がりくねっている難所になることをみんな知っていたから次の展開を見逃すわけにはいかなかった。橋の下のその何秒かの間に彼らは、船から降りていた。ここは、危険と察知したのだろう。浅瀬に足を着き、船を引きずりながら中州を歩いて深い所でまた飛び乗った。その先は、線路の高架下になり、上を走る電車のゴーゴーという音にかき消されながら、その先の左カーブで彼らの黒い影は、見えなくなった。

これは、私が小学生の頃の話で、二宮駅の東海道線の高架下、葛川での出来事だ。その事を今でも鮮明に覚えている。「こんな所で、そんなことしていいの?」というお叱りを受ける覚悟でやるのが、子どもの冒険心だ。私の好奇心を刺激する出来事だった。その大きな発砲スチロールは、今思えば、建材用のものだったのだろう。彼らがどこで手に入れ、どこから流れて来たのかは、分からないが、これを使えばきっと普段見慣れたこの川をどこまでも流されて行けば、海に辿り着くと思ったのだろうか。

私は、その後彼らがどうなったのか気になっていた。翌朝、昨日彼らを見送った地点からそう遠くない川岸にあの船が放置されていた。乗り捨てたのだろうか。自分もあのスリルを味わいたかった。しかし、今から学校に行かなくてはならない。授業中、船のことが頭から離れなかった。学校が終わると誰よりも早く校門を跳び出し、あの船の落ちていた場所に向かった。しかし、そこには、もう船はなかった。

葛川は、中井町井ノ口を源流とし、二宮の中心部を流れる。その橋の近くには、友達が住んでいて、よく橋の下にもぐり込んでは、吾妻堂で買ったお菓子を食べ、蟻地獄を突いて遊んだ秘密基地だった。葛川は、臭く汚い川というイメージは、つい最近まで消えていなかった。先日、歩いて下浜の下流側から川沿いを中里方面まで歩いた。久し振りに見る葛川には、菜の花が咲き、水面をシラサギが飛び、大きな鯉が泳いでいた。川底に落ち葉が堆積しているのが見えるほど透き通っていた。昔は、モノクロの世界にしか見えなかった風景が、赤や黄色、緑のカラーが目に映ったことに驚いた。この川であの冒険心溢れる少年が再び現れるのだろうか。
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